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映画「一命」

制止して観ていることが難しく、シートの上ではねたり、のけぞったり、よく動いていました。わたしの真後ろの席のおじ様は、いささか観にくかったかもしれません。

 

誰が主人公なのかわからない・・・というところから始まり、画面に人物が登場するたび、その人の目線でものごとを覗いていく展開。

 

一寸先は闇・・・その時代に生きていた人間と同じく、ストーリーがどう流れていくかわからないから、目の前に起こっている出来事を、切羽詰った感じで体感していました。

 

一場面も無駄なところが無い、ていねいな撮り方をされていて・・・

リアルさこの上なく、映画としても見ごたえ十分。

 

歴史上、誰もが知っている大河ではない、

歴史に残らない、名も無き人たちの「流れ=ストーリー」

 

おのおの、自分が生きている間に、自分が乗っている流れを読むことなど 到底できるものではなく、一瞬、一瞬の判断が どうなっていくかなんて・・・!

 

それは、今のわたしたちも同じことで・・・

 

「ただ生きて・・・春を待っていただけ」

 

このセリフが、雪が湖面に降りる様に、胸に溶け入ってきます。