「うわぁ~、なんて綺麗なんだろう・・・」
思わず近寄り、手触りを確認する私に、お店の方が
「着てみられますか?」と。
「いいんですか?」
嬉々として、纏ってみると・・・・意外にもシェイプが美しい・・・
体に吸い付くように、襟まわりも沿います。
あぁ、この子は遥々海を渡り、わたしを喜ばせるためにここまできてくれたのか・・・また、いつもの妄想が広がります。
値札を見ると、う~ん。わたしの手にはおえない額。
ええ、分かります。このお値段になるのも。
長野に赴任したとき、イラン遊牧民が織る「ギャッペ」に出逢い、
半年以上かけて織り上げる敷物に、これまで幾度も心奪われてきましたから・・・
季節は春。
これから暑くなっていくというのに、アルパカの「ニット・コート」・・・
でも同時に、肌寒くなる頃、家のソファーでコレを纏い、雑誌をめくっている姿や、外を掃いている姿など・・・
なにげない毎日を、こころ弾ませ色鮮やかに過ごしている光景が、鮮明に脳裏に浮んでくるのです。
特別な日のための着衣は、もう必要ないけれど、
日常に活かせる衣であれば、十分 元を取れる。
「わたしにはお金がないので、主人に相談させてください」、と正直にいうと、
お店の方も、にっこり。
本物のアドバイザーの方というのは、決して焦らせたり、判断を急がせたりしませんね。
さぁて、ここからが、わたしの 『プレゼンテーション力』 が試されるところ。
・なぜ、これを私が必要としているか。
・これを手に入れると、私がどうなるのか。(どんなわたしにあなたが逢えるのか)
・どのくらい本気で動いているかを、行動の違いで説明します。
(・・・実は、そのあと、スムーズにわたしと結ばれるわけではなくて、
まるで人との恋物語のようなストーリーが展開されるのですが・・・それは別の機会に♪)
わたしの場合、大きな品物を手にするときは、どうやら自分が「変わろうとしている時期」。
次の世界に行くときの「勇気」や「覚悟」が欲しいときに、
その世界を象徴するような家や家具、品物が目の前に現れてくるようです。
自分の手には負えないもの、キャパをはみ出したものを、
どう扱っていくか、どう周りを巻き込んでいくか・・・・
一生付き合っていくモノと向き合うときは、それだけに毎回、
多くのことを学ばせていただいています。
わたしにとって、出逢いから学んでいくという点では、「人もモノも」感覚は一緒のよう。
これからも、きっと、わたしは 『恋多き人生』 を歩んでいくのでしょうが、
こんな娘を持つ父親役の「主人」は・・・・大変です(笑)
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