それは、『イラム』 という、ネパールの茶葉でした。
ダージリン種をネパールへ移植したというだけあり、
ダージリンに限りなく近い味と香り・・・でも、
きっと、このお味はずっとずっと記憶に残るのかなぁ・・・。
ダージリンよりも渋みふっくらやわらかく、
新芽(甘く・うまみの成分が多い)がたくさん入っていることもあり、
ほんとうにおいしかったぁ・・・ということもあるのだけど、
この紅茶をいただきながら、紅茶とお庭のこと、紅茶と旅のこと・・・
次から次へと話が溢れだし・・・
「おいしいわねぇ・・・しあわせねぇ・・・」 と、
しみじみいただく4人の嬉しそうなお顔、光景があいまみえたからだと思うんです。
原宿にあるイタリアンレストランの 『ワインの会』 に通っていたずっとずっと昔・・・
そこのオーナーシェフがおっしゃっていたことが今日、思い出されました。
「ワインはね、誰と一緒に飲むかなんだよ」
一本、十何万するワインを、十何人かでシェアして飲む・・・
ワインの味は、何と一緒に飲むか、誰と一緒に飲むかが大事で、
だからこそ、いいワインを開ける時は、
「素晴らしい仲間を集わなくちゃならない・・・」 と。
『オレゴン・ピノ・ノワール』
あれだけいいワインを飲ませていただいたのに、
ラベルも、うんちくもちっとも身につかなかったわたし・・・
そんな中で、唯一といっていいくらい、名前が残っているワインがこれで・・・「おいしいワイン」 と、聞くと、
今でもこのワインを口に含んだとき、喉を落ちていったとき、体の中へ響いていったときの体感が甦えるのです。
オーナーの熱い言葉と、あのとき仲間と一緒に過ごした場の雰囲気、「高揚感」。
そして何より・・・2度と味わえない・・・この一瞬だけにかける、
「今、かけがえのない時を過ごしている」・・・という想いが、「おいしさ」になっているのでしょう。
紅茶も、ワインと同じなのかもしれません。
「おいしい紅茶」・・・というとき、この 『イラム』 という紅茶をみんなでいただいた今日のことが、
これから、思い出される光景の象徴となるような気がします。
・・・味は、『思い出』 を含んでいるのだと、あらためて思います・・・
いつもよりも、こじんまりした人数だったからでしょうか、
ゆっくりいただき、ぐっとみなさんのお顔が近かった今月のサブリエさんの 『TEA ROOM』。
まだ、胸の奥がぽかぽかしています・・・・素敵な紅茶の時間に乾杯です♪
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