きょうは、記念すべき日です
矯正のブリッジが外れました。
この5年、幾度も幾度も
わたしはいったい何をやっているんだろうう・・・と
空を仰ぎましたが
今日、その答えがひとつ分かったように思うのです。
「先生、今朝は泣きながら車走らせて来たんです」
『危ないじゃないですか・・・』
「この5年間、わたしは歯を治してたんじゃないって、歪んだこころを矯正していたんだなって 気づいたんですよ」
この5年間に失ったものも、あります。
時間・労力・お金・・・そして、取り返しのきかない「健康」
こんなことならやらなければよかった、失敗した! 何度も自分の判断の間違いに、悔し涙・・・
「先生の技術はそんなもんなんですか!この治療に納得いきません。先生、本気出してくださいよ!」
『今やあなたのことは仕事でやってるんじゃないんですよ。そんな風に言われたんじゃ、僕だってやってられない!』
・・・この5年間、矯正歯科医とクライアントという枠を飛び出して
いつの間にかこの先生とは、言いたいこと言い合って、本音でぶつかる間柄になっていました。
思っていることを溜めずに言い放っては、自らの間違い、言い過ぎを正直に謝ったり・・・
家庭でもない、学校でもない、職場でもない・・・クリニックという現場で
こんなに大喧嘩できる・・・いや、深く学べる場所があったなんて・・・・ある意味驚きです
どんな場所でも、人間関係を本気で学ぶことはできるもんなんだな、ということも知ることができました。
そう考えると、矯正には長すぎるこの5年間は
わたしにとって、単に歯を治療するためのものではなく・・・
わたしの中の頑なな何か・・・どうやっても動かしようもなかった 【男性権威に対する不信感】 を
根本的に揺り動かしていく時間として、どうしても必要なものだったのかもしれません。
『長い間かかって申し訳なかったね・・・』
「いいえ、先生。こんなにわたしにお付き合いくださって、ありがとうございました」
まだ、ブリッジが外れたとはいえ、これからも先生との関わりは続くわけですが・・・
一端の区切りとして、お礼の気持ちを素直に言えるような日が来たことに、
こんな日を想い浮かべられないほど不信感いっぱいだった期間が長いだけに、ただただ感無量です。
貴重な40代前半全部費やしての、男性権威の象徴ともいうべき方とのここでの和解・・・
これはきっと、想像以上にこれからのわたしの人生に大きな変化をおこしていくことと思います。
これからますます、いろんなカラダの部位の不調などで「先生」と呼ばれる方々に自分のカラダを託していく中、
医者もクライアントも対等の立場で、尊重してお互いの要望を伝えあっていく・・・
画期的なコミュニケーションがとれるような関係作りができるようになると思うからです。
大きくて、いかにも強そうなヤツをみると、反射的に「ガルル・・・」 と唸り、牙をむいてきたこれまでのわたし。
矯正に踏み切った理由の一つは、
寝ているときの食いしばり、歯ぎしりが慢性的で、朝起きると疲れ果てている・・・という、
子どもの時からの長年の悩みを何とかしたい、というものでした。
今回の矯正で犬歯を一本抜いていくとき、
ああ・・・もう、これからの世界ではこの牙はいらないんだなぁ・・・
今までこの牙でもって生き抜いてきたんだろうけど、
もう、牙むくことも、歯を食いしばる必要もないということなんだなぁ・・・と。
実際、抜いてみて顎がびっくりするほど軽くなったというか、
「深く埋め込まれた何か」を抜き取る気持ちよさ・・・さえ、感じたの覚えています。不思議な感覚でしたが・・・
きっと、自分のカラダの中で 「歯」 と向き合うということは
自分の中の 「頑ななモノ」、「動かしようがないと思い込んでいる部分」、
そして、「我慢」、「悔しさ」、「攻撃性」・・・などの食いしばることと深く関係していたのだと(今だからこそ)思います。
もちろん、これはわたしの場合であって、みなさんにお勧めできることではありませんが、
何でやらなくていいと言われていることに、自分が突っ込んでいってしまったんだろう・・・という疑問に対して
やっと今朝になって、そうかぁ・・「歯科矯正」はわたしにとって、それらを手放すワークだったんだ。
ここまでやらないと納得しない、
カラダで体感しないと学んでいけないという・・・わたしらしいやり方だったんだなぁ・・・と、気づいたわけで・笑
でも、「もうすでにわたしの人生の中でいらなくなっているモノ」を、思い切って捨て去ることで、
物質的にもぶつかる必要のないところでぶつからなくなり、
穏やかにかみ合うことができるようになったのは実感していました。
肉体的にも、精神的にも解放され、実際毎晩、柔和な顔で安らかに眠ることができているわたしがいますから。
40代に入ってからの基礎体力の充実も、しっかり寝れるようになったことと無関係ではないと思っています。
そして、同時にわたしの代わりに牙をむいて、メスや子どもたちを守ってくれる オスたちの存在に
感謝で向き合えるようになってきている自分がいるのも感じています。
社会で働く「男性」はみんな・・・
わたしのカラダのためにベストを尽くしてくださっている・・・「味方」 なんだと、実感できるようになりました。
今は素直に専門的技術を持っている方のパワーに頼っていく・・・ありがたく使わせていただこうと思えます。
わたしは、正しい場所で正しい学びをしたのだと・・・・今朝になって、この5年間をはじめて承認することができました。
大きいですね。また、自分にパワーが戻ってきた感じです。
いつも帰りに寄る店でのいつもの蕎麦の味も、今日は格別においしかったし、その店から見上げた秋空も・・・
高く、格別に澄み渡ってみえました・・・。
今、この5年間で出逢った、すべての男性に 感謝の気持ちでいっぱいです。
根気よくわたしと関わって、頑ななわたしを揺るがしてくださって・・・ほんとうにありがとう。
おかげで、わたしは「動かせないものなんてないのかもしれない」、
「変えられない自分というものだってないのかも」 というところに立てています。
これからは、みなさんをこころから信頼して、みなさんの愛に身をゆだねていけそうな気がしていますよ・・・♪
さぁ、牙の抜けたメスとして、もうちょっと可愛く生きていけるかな・・・笑
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ツバメ (土曜日, 22 11月 2014 23:00)
おめでとうございます\(^o^)/
スッキリしたでしょう?
良かったですね(^^)
noriko♪ (土曜日, 22 11月 2014 23:37)
はい。ツバメセンセ♪
ツバメさんの体験談は効きましたよ・・・おかげで、ここまで来れたと思っています。
「事故は起こるものなんだ」・・・と、事故はイレギュラーなものではなく、
普通に自分の身に起こることなんだと、はじめて自覚することができましたし、
「治療を続ける、やめる」・・・自分のカラダのことは自分が決める。ということも、
中学生時代にツバメさんの姿に教えていただきました。
そして、ツバメさんに視ていただいたビジョンも・・・ほんとうにその通りでしたよ♪
陰ながらのサポート・・・ありがとうございました!