もう先月の話になりますが、『Cafeセッション』のため、乃木坂にある【銀座ウェスト青山ガーデン】へ伺ってきました♪ Tさんとは、横浜スピマでセッションを受けていただいてから10年来のお付き合い。これまで10篇以上Tさんのstoryを視てきましたが、その中でも今回の過去世storyは特に素敵で…。同時に、わたしにとっても大切な記憶と繋がるお話となりましたので、何回かに分けてシェアしたいと思います♪
創造性豊かな人たちが、安心して自分を育てていける場所。
今回の舞台は、小さな街のような「芸術大学」の美しいキャンパス。Tさんは、その芸術大学の中の「絵画」を教える先生で、水色の自転車で風を切って、自分の教授室に通う姿がありました。
今季放送していたドラマ「さよならマエストロ」の西島秀俊さん演じる指揮者(マエストロ)を思い出します。チェロやティンパニなど一つ一つの楽器を奏でる力は生徒の方が上なのだけど、彼らの力を引き出したり、聴いてあげられる力は誰よりも高いマスター。(T先生は、音楽ではなく、絵画の世界ですけどね)
権威ある立場でありながら、自分の意見を押し付けない謙虚さ、ユーモア、フレンドリーさがあって、もともと畑違いの「philosophy(人生哲学)」が専門だったこともあり、別の世界からのアプローチをかましてくれる異色な人。
絵というよりも、生き方を学ぶことができる彼のゼミは人気があって、遠方からも様々な目的で優秀な学生が集まってきます。
アーティスト性が高い人ほど、その世界に入り込む力は強く、だからこそ「危うい」ところもあるのですが…。その部分を外から眺めたり、やさしく諭したり、笑って「大丈夫だよ」って落ち着かせてくれる「人」や「場所」や「機会」がいかに大切かということ。そして、安心して自分を育ててあげられる時間…6年とか8年とか長い年月をかけていい、そういう場所があっていいんだということを、彼の世界観は物語っていました。
ある学生は、この大学に入った理由を「学生の身分」が欲しかったからと言っていました。「画家になりたいわけではない。何かになりたいわけではないんです。僕は一生”学ぶ人“でありたいと思い続けてきました。8年間、ここで生きることができたなら、僕は幸せ者です。それが、僕がこの世界に来た目的だからです」と。
その大学で彼の絵画のゼミに通っている人は、みんなT教授のことが大好きでした。
わたしが「絵を描くこと」を、鼓舞してくれた人。
わたしもそう。これはあとから想い出したことなのですけど・・・。わたしも彼を慕って芸術大学に入学した学生の一人でした。どうしても絵を描きたかったんだと思います。でも、その当時のわたしには生まれつき両手がなくって・・・口に筆をくわえて絵を描いている姿がありました。
どんなに努力しても、手がある人と同じようには上手くも早くも描けない。深く落ち込むわたしに対して、T先生は…「そのままでいい。それがあなたのオリジナルな技法なのだから」「口で描くからこそ、魂がこもるのでは?」と、励ましてくださったのです。
人より劣った能力を、「それこそがオリジナルな能力です」と言い切ってくださったのは、きっとT先生が初めてだったんじゃないかなぁ…。(この光景を思い出したときは、さすがに涙が溢れてきました・・・)
口にくわえて描く「技法」によってこそ、こもるもの、表現できるもの、があるのかもしれません。
どうしても表現したいとか、どうしても伝えたいとか・・・。道具が無くても手段がなくても、どうしても伝えたいことがあるときって…なんだろう?何か普段とは違うやり方(技法)であっても、人は果たそうとするものなのだろうなぁと、思うのです。
…T先生の過去世storyは、そんな貴重な体感を、わたしに思い出させてくれたのです♪
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